春までもう少し、春の予感を感じけれど寒い日に体を温めてくれる料理を食べたい今にちょうどいい、クラムチャウダーをご紹介しましょう。クラム(clam)は2枚貝のことで、クラムチャウダーは“ホンビノスガイ”という貝と野菜と煮込んだスープをさすアメリカ料理です。日本ではアサリを使うことが多いですね。アサリは3月から旬を迎えますからこれからの季節に大いに楽しめます。
アサリには鉄分が豊富に含まれているので貧血予防になります。細胞を作るのを助けたり抹消神経が働く助けしたりするビタミンB12も多く含まれていますから肩こりや目の疲れにも効くと言われています。アミノ酸がたっぷりなので旨味もぎゅっと詰まっていますから体によし、味によし、お値段も手ごろです。
砂を吐かせる下処理の手間がありますが、あとは簡単なステップで作れる料理です。この下処理を覚えてしまえば、酒蒸しやボンゴレなどの他のあさり料理にも使えますから是非やってみてください。 食べる時はクラッカーを砕いて混ぜるとよく合います。
クラムチャウダーいろいろ
ボストンクラムチャウダー

私はボストンに留学していた親友を訪ねた時に「ここに来たら絶対に食べること!」と強く推されて食べたことがあります。アメリカサイズの大きなボウルにたっぷりと入ったチャウダーに沢山のホンビノス貝がこれでもかと入っていて旨味が詰まった美味しいスープで、前菜ではなく立派なメインディッシュのボリュームがありました。
マンハッタンクラムチャウダー

作り方
主役のあさりを美味しく食べる
砂出しのやり方は下記の(下準備)を参考にしてください。
加熱して貝が開いたらすぐに火から下しましょう。熱が入りすぎるとアサリの実が堅くなります。
あさりに合わせる野菜たち
チャウダーの主役はアサリの旨味ですから味に特徴がある野菜は合いません。定番からは外れますけどカブやマッシュルームも合いますよ。
材料
じゃがいも 2個
たまねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
ベーコン 1枚
オリーブオイル 大さじ1
薄力粉 小さじ1
タイム(乾燥) 小さじ1
ローリエ 1枚
牛乳 200cc
クラッカー 3枚
※ 水煮缶などのむき身のあさりを使う時は100gが目安です。
※ フレッシュのタイムを使う時は4~5本です。
あさりの下処理

・バットに3%の塩水を張る(水200ccに塩小さじ1の割合)
・あさり同士が重ならないようにバットに並べる。この時、水の高さがあさりの8割程度になるようにすると砂をよく吐く。
・竹串で10か所くらい空気穴を開けたアルミホイルをバットにかぶせる。暗くすると海の中と同じような環境になるのでアサリが安心して砂を吐く。また、アサリが水管を伸ばして砂を吐く時にバットの外に水が飛び散るのを防いでくれる。
・この状態で1時間くらいおく。
・あさりの殻同士をこすり合わせて流水で洗う。
(2) 下茹でをする
・100ccの水を入れた鍋で加熱してあさりの殻が開いたら火をとめる。
・厚手のキッチンペーパーまたは布巾をしいたザルにあさりをあける。キッチンペーパーや布巾を使うとあさりの煮汁から砂やゴミを除ける。
→ あさりの煮汁は美味しさいっぱい。このあとチャウダーに入れますよ。
(3) あさりを殻から出してむき身を2つに切る。
身を刻むとさらに美味しさがスープに染みだします。
※ 鮮魚店で買ったあさりではなく潮干狩りで取ってきたあさりは砂抜きにもっと時間がかかるので6時間くらいおきましょう。
その他の下準備
フレッシュなタイムが手に入らない時はスパイス売り場で売っている乾燥タイムを使いましょう。100円ショップで売っている”お茶パック”(メッシュの小袋)に入れます。
作り方

(2) たまねぎは1cm角、にんじんは皮をむいて1cm角に切る。
(3) ベーコンは粗いみじん切りにする。
(4) 鍋にオリーブオイルを熱し、たまねぎとベーコンを炒める。たまねぎが透き通ってきたらにんじんとじゃがいもを加えて全体に油が回るまで炒める。薄力粉を加えて粉っぽさがなくなるまで炒める。
(5) 水200ccにあさりの煮汁を加えたものを鍋に入れ、煮立ったらアクを取る。フタを少しずらして弱火で10分間煮る。
(6) じゃがいもに竹串をさしてスッと通るくらいに柔らかくなったらあさりを加えて中火で2分程度煮る。
(7) 牛乳を加え、再び煮立ったら塩、こしょうで味を調える。
(8) 器に盛りつけ、クラッカーを手で割って中央に盛りつける。
※ 野菜の大きさを揃えて切ると見た目がキレイに仕上がります。
※ オリーブオイルの代わりにバター大さじ1を使うとよりコクが出るスープになります。バターを使う時には薄力粉をふる必要はありません。
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