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イースター直前のグッドフライデーに食べる伝統的なパン、ホットクロスバンズ

イースター直前のグッドフライデーに食べる伝統的なパン、ホットクロスバンズ

ホットクロスバンズはその名前の通りに大きな十字模様が入ったイギリス伝統のパンです。

今では一年中イギリス中のパン屋やスーパーマーケットで売っていますが、その起源はイースター、そして食べていたのはグッドフライデーの朝。日本でイースターは馴染みがありませんがキリスト教にとって喜び溢れるこのお祝いにまつわるパンをご紹介します。

イースター(復活祭)

イースターとは?

Easterの日本語訳は“復活祭”、十字架にかけられて亡くなった主なる神の子であるイエス・キリストが3日後に復活したことを祝うお祭りです。十字架にかけられた時期はユダヤ教の過越し(すぎこし)の祭りの頃とされていて、過越しの祭りと春分の日が近いことからイースターの日にちを決める時には春分の日を基にしていると言われています
「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」がイースターと決められているため毎年日付が変わります。今年は4月17日です。

グッドフライデー (Good Friday)

イースターの日曜日の1週間前の日曜日はパーム・サンデー(Palm Sunday)と呼ばれていてこの日からの1週間をホーリーウィーク(Holly Week、聖なる1週間)と呼びます。何故、パーム (=ヤシ) が出てくるのかというと、この日、エルサレムに入城したイエスキリストが進む道に民衆がヤシの葉を敷いて出迎えたことに由来しているからです。そして、ホーリーウィークの金曜日をグッドフライデーと呼びます。この金曜日にイエス・キリストは十字架にかけられているのにどうして「グッド」と呼ばれているのか不思議ですよね。God’s がなまってGoodになった節、イエス・キリストが人々の罪を背負ってくれた愛からきているという説などがあります。
イースター前の46日間は四旬節といって節制が奨励されて肉や乳製品、卵などの摂取が禁じられていたほか1日1食しか認められていなかったそうです。また食事制限だけではなく、祈りを捧げ、慈善行為をする伝統がありました。自分達のために命をかけてくれたイエス・キリストへの償いという意味合いがあるようです。ホットクロスバンズはグッドフライデーの朝に食べられていました。十字架を象徴するクロス模様が入ったパンを食べてイエス・キリストを偲んでいたのでしょう。

ホットクロスバンズ

マザーグースにも出てくる

イギリスで古くから伝承されてきた童謡や歌謡を集めたマザーグース、“ハンプティダンプティ”や“ロンドン橋落ちる”などは日本でも有名です。このマザーグースにもホットクロスバンズが登場します。マザーグースには子守唄、なぞなぞ、早口言葉、呪文など地域に伝わる色々な唄や言い回しが入っていて、物売りの口上もその1つです。街中でホットクロスバンズを売り歩く物売りの掛け声が入っています。

Hot cross buns! ホットクロスバン
Hot cross buns!
One a penny, two a penny, ひとつ1ペニー、ふたつ1ペニー
Hot cross buns!

If you have no daughters,  娘さんがいないなら
Give them to your sons   息子さんにあげてね
One a penny, two a penny, ひとつ1ペニー、ふたつ1ペニー
Hot Cross Buns!      ホットクロスバン

グッドフライデーを起源とするホットクロスバンズですけど、今では一年中売っているので私にとってはイギリスを象徴するようなパンです。パン売りの口上としてマザーグースに入っているくらいなので随分前から年間を通して売っていたのでしょうね。

では、作ってみましょう。

材料を混ぜ合わせてパンの生地をこねる

ホットクロスバンズは19cm四方のスクエア型で焼きます。大きい型なので強力粉の量は300g。300gというのは日本人の女性が手でこねることができる最大量と言われていてこねあげるまでにちょっと時間がかかります。ふっくらとした生地にするために卵を入れ、仕込み水には水ではなく温めた牛乳を。グッドフライデーの朝に食べるホットクロスバンズは乳製品を入れられないので水を使います。そして、生地に芳醇な香りをつけてくれるのがシナモンパウダー、結構たっぷりと入れます。カルダモンやクローブを足すとさらに複雑な香りになって魅惑度があがります。
生地を8割こねたら広げてカレンズ(小粒のレーズン)とオレンジピールを散らし、混ぜ込んでいきます。混ぜ込むドライフルーツに指定はありませんが、レーズン類と柑橘系をミックスするレシピが多いですね。柑橘系を入れると焼きあがりを口に入れた時にフレッシュな香りと酸味が広がってものすごい幸口感があります。生地にはシナモンなどのスパイスも入っていますのでかなり贅沢。

発酵 → 成形

一次発酵をして約2倍の大きさになったら9等分して、それぞれを丸め直してベンチタイムを10分とります。ベンチタイムは生地を休ませる時間で分割したり丸め直したりして痛んだ生地がふっくらと復活する時間です。その後、9個の生地をもう1度ガス抜きをして丸め直し、スクエア型に入れます。お互いの間隔を等しく入れるのがコツです。

二次発酵 → 焼成 → 仕上げ

二次発酵するとスクエア型の中の生地は大きくなって隣り同士がくっつき合います。9個の生地の表面に十字の切れ目を入れて、切れ目の中に強力粉、砂糖、水を混ぜ合わせたフィリングを絞ります。そしてオーブンへ。焼き上がりを待っている間に水と砂糖でシロップを作り、焼きあがったホットクロスバンズの表面に刷毛で塗ればできあがり!

ツヤツヤして十字をつけたホットクロスバンズが9個並んでいるのは圧巻です。
たまご、牛乳、スパイス、ドライフルーツと美味しさが詰まっているのであっという間に9個食べちゃいますよ。

自分で作ったパンは最高!

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ココットキッチンスタジオは料理、パン、お菓子が学べる料理教室です。
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