1度に3つの味を作っちゃおう、という欲張りハンバーグ。しかも短い煮込み時間で作れるスピード料理です。
肉ダネを上手にこねて水分を閉じ込めればジューシーでふっくらとしたハンバーグが作れます(2024年3月22日更新)。
英語ではHamburg Steak
由来はモンゴル、ドイツ、ハンブルグで現在の形に
ハンバーグはドイツ北部の都市、ハンブルグ生まれ、タルタルステーキを元にした料理と言われています。タルタルステーキは生の牛肉を細かく刻んで香辛料で味や風味をつけ、真ん中に卵黄を乗せた料理なので確かにハンバーグと似ています。
タルタルステーキの“タルタル”はモンゴル帝国を意味するタタール人のことです。騎馬民族のタタール人は軍用の馬を最後は食用としていたので筋肉質の馬肉を細かくカットして食べていたそうです。
モンゴル帝国の最盛期ではアナトリア半島(今のトルコ共和国がある場所)と東欧の一部まで支配していたので、馬肉を刻んだ料理がヨーロッパに伝わったのではないかと思います。
ヨーロッパでは馬は家畜であって食用ではないため、代わりに牛肉や豚肉を使い、生肉ではなく火を通す料理にしました。肉だけではなく玉ねぎを入れ、つなぎのパン粉や卵を入れて円形にまとめて現在のようなハンバーグになったのがハンブルグだそうです。
アメリカ大陸が「新大陸」と呼ばれた大航海時代、ヨーロッパから大勢の移民がアメリカ大陸に渡りました。 ハンブルグからの移民とともにハンバーグもアメリカに上陸。“ハンブルグ風ステーキ”(Hamburg Steak)と呼ばれるようになりました。確かに、アメリカでメニューにHamburgとは書かれてはいなかったような・・と思い起こします。アメリカのレストランでハンバーグを注文する時は「Hamburg Steak」と言いましょう。
日本でもちょっと高級な洋食店のメニューには「ハンバーグ・ステーキ」と書いてありますよね。ハンバーグにグラッセしてツヤツヤのにんじんや生クリームのような滑らかなマッシュポテトが添えてある特別な料理として登場します。
上記地図はPinterestより。
タルタルステーキの“タルタル”はモンゴル帝国を意味するタタール人のことです。騎馬民族のタタール人は軍用の馬を最後は食用としていたので筋肉質の馬肉を細かくカットして食べていたそうです。
モンゴル帝国の最盛期ではアナトリア半島(今のトルコ共和国がある場所)と東欧の一部まで支配していたので、馬肉を刻んだ料理がヨーロッパに伝わったのではないかと思います。
ヨーロッパでは馬は家畜であって食用ではないため、代わりに牛肉や豚肉を使い、生肉ではなく火を通す料理にしました。肉だけではなく玉ねぎを入れ、つなぎのパン粉や卵を入れて円形にまとめて現在のようなハンバーグになったのがハンブルグだそうです。
アメリカ大陸が「新大陸」と呼ばれた大航海時代、ヨーロッパから大勢の移民がアメリカ大陸に渡りました。 ハンブルグからの移民とともにハンバーグもアメリカに上陸。“ハンブルグ風ステーキ”(Hamburg Steak)と呼ばれるようになりました。確かに、アメリカでメニューにHamburgとは書かれてはいなかったような・・と思い起こします。アメリカのレストランでハンバーグを注文する時は「Hamburg Steak」と言いましょう。
日本でもちょっと高級な洋食店のメニューには「ハンバーグ・ステーキ」と書いてありますよね。ハンバーグにグラッセしてツヤツヤのにんじんや生クリームのような滑らかなマッシュポテトが添えてある特別な料理として登場します。
出典:世界のハンバーグ史のはじまり | 日本ハンバーグ協会(j-hamburg.org)
上記地図はPinterestより。
美味しい肉ダネを作るには
肉は使う直前まで冷蔵庫に入れておく
ひき肉は使う時に冷蔵庫から出しましょう。切り口が多い挽肉は室温に出しておくと脂が溶け出てきてしまいます。この脂をこねると粘りできて肉汁を閉じ込めてくれるのですが、何故そうなるのでしょう?
肉の粘りを出す
ボウルにひき肉を入れたら塩、黒こしょう、ナツメグを入れてよく混ぜ合わせます。
ひき肉の水分が塩と混じり合って食塩水になると、そこにひき肉のたんぱく質が溶け出します。ひき肉のたんぱく質はひも状の形をしていてお互いに絡み合っています。さらにこねていくといくつものひも状たんぱく質がだんご状に絡まるのですが、それが粘りの正体です。だんご状になった紐がどんどん集まって水分を閉じ込めます。
ひき肉の混ぜ方は後の「作り方」でも説明していますが、2つのステップがあります。
1. 手のひらでひき肉を握ったり、離したり(グー、パーする感じ)して肉同士を密着させる
2. ひき肉をつかみ、その手をボウルの中でグルグルと回す。つかんだ手の中からひき肉がこぼれていきますが構わずグルグル回す。1回のグルグルでボウルの中を4~5周しましょう。続けていってボウルの底にうっすらと白い脂がついたらおしまい。
塩と一緒に入れる黒こしょう、ナツメグは肉の臭み消しの役割を果たします。
ひき肉の水分が塩と混じり合って食塩水になると、そこにひき肉のたんぱく質が溶け出します。ひき肉のたんぱく質はひも状の形をしていてお互いに絡み合っています。さらにこねていくといくつものひも状たんぱく質がだんご状に絡まるのですが、それが粘りの正体です。だんご状になった紐がどんどん集まって水分を閉じ込めます。
ひき肉の混ぜ方は後の「作り方」でも説明していますが、2つのステップがあります。
1. 手のひらでひき肉を握ったり、離したり(グー、パーする感じ)して肉同士を密着させる
2. ひき肉をつかみ、その手をボウルの中でグルグルと回す。つかんだ手の中からひき肉がこぼれていきますが構わずグルグル回す。1回のグルグルでボウルの中を4~5周しましょう。続けていってボウルの底にうっすらと白い脂がついたらおしまい。
塩と一緒に入れる黒こしょう、ナツメグは肉の臭み消しの役割を果たします。
つなぎを混ぜこむ
ひき肉に十分な粘りが出たら“つなぎ”を混ぜましょう。
つなぎの役割は3つ
・肉汁をとじこめる
・肉ダネに水分をプラスする
・肉ダネのボリュームを増やす
肉ダネを焼くと水分が出てきます。これを肉ダネの中にとどめておく方法としてよく使われるのがパン粉。ただ、パン粉をそのまま混ぜ込むと必要以上に肉ダネの水分を吸収してしまう可能性があるので、パン粉と牛乳をあらかじめ合わせておきます。牛乳は臭み消しの役割もしてくれるし、パン粉と合わせておくと肉ダネとより混ざり合いやすくなります。
そして、つなぎのもう1人の重要キャストがたまごです。
たまごの卵白に含まれるたんぱく質のアルブミンは熱によって凝固し、ひき肉にふくまれるたんぱく質のアクトミオシンの網目を緻密にします。
たまごの卵黄に含まれるレシチンやLDLたんぱく質はそれぞれの食材の脂肪と水分を乳化させ、たんぱく質も巻き込んで食材全体をつなぐ働きをします。
パン粉、牛乳、たまごはハンバーグをふっくらとジューシーにしてくれる大事な食材。
粘りが出てきた肉ダネに混ぜ込むのを忘れずに。
つなぎの役割は3つ
・肉汁をとじこめる
・肉ダネに水分をプラスする
・肉ダネのボリュームを増やす
肉ダネを焼くと水分が出てきます。これを肉ダネの中にとどめておく方法としてよく使われるのがパン粉。ただ、パン粉をそのまま混ぜ込むと必要以上に肉ダネの水分を吸収してしまう可能性があるので、パン粉と牛乳をあらかじめ合わせておきます。牛乳は臭み消しの役割もしてくれるし、パン粉と合わせておくと肉ダネとより混ざり合いやすくなります。
そして、つなぎのもう1人の重要キャストがたまごです。
たまごの卵白に含まれるたんぱく質のアルブミンは熱によって凝固し、ひき肉にふくまれるたんぱく質のアクトミオシンの網目を緻密にします。
たまごの卵黄に含まれるレシチンやLDLたんぱく質はそれぞれの食材の脂肪と水分を乳化させ、たんぱく質も巻き込んで食材全体をつなぐ働きをします。
パン粉、牛乳、たまごはハンバーグをふっくらとジューシーにしてくれる大事な食材。
粘りが出てきた肉ダネに混ぜ込むのを忘れずに。
出典:ハンバーグに卵を入れる理由 | 料理科学の森 (ryourikagakunomori.jp)
3色ハンバーグ
1回で3度おいしい
グリコのキャラメルのキャッチコピー「1粒で2度美味しい」の1つ上をいく「1つで3度美味しい」煮込みハンバーグを作ります。3種類の味を楽しむのに超スピード料理で私のお気に入りの一品(いや3品)です。
市販のソースを煮込まず作る
煮込みハンバーグなのに“煮込まない”とはこれ如何に?
ポイントは2つあります。
1つ目は市販のトマトソースを使うこと
2つ目はオーブンで焼くこと
です。
市販のトマトソースはもう煮込み済みです。これを使えばソース作りの時間が要りません。ここではカゴメの「基本のトマトソース」を使います。
このトマトソースを3つのグラタン皿に分けていれ、このソースにスパイスやトッピングを追加して3種類にしていきます。
ポイントは2つあります。
1つ目は市販のトマトソースを使うこと
2つ目はオーブンで焼くこと
です。
市販のトマトソースはもう煮込み済みです。これを使えばソース作りの時間が要りません。ここではカゴメの「基本のトマトソース」を使います。
このトマトソースを3つのグラタン皿に分けていれ、このソースにスパイスやトッピングを追加して3種類にしていきます。
3つの味
イタリア風、インド風、韓国風の3種類を作ってみます。ハンバーグ本体に3つの味をつけるのではなくソースに味をつけます。
イタリア風は簡単です。そもそもトマトソースを使っているのでここにチーズを乗せるだけで完成。もし、茹で野菜などがあれば、にんじんやブロッコリーを添えると彩りが華やかになります。
次にインド風。トマトソースにカレー粉を入れましょう。これだけでは芸足らずなので何を足そうかな・・? と思いついたのがインド料理に頻繁に登場する豆。インドにはベジタリアンが多いためたんぱく質を摂るために豆を食べる人が多くて豆の種類も豊富です。見た目も可愛くなるミックスビーンズを入れてインド風の完成。
最後に韓国風。トマトソースに韓国唐辛子を入れます。韓国唐辛子は見た目こそ真っ赤で「辛そう~」とビビリますが甘みやうま味があってそれほど辛くはありません。あと何を足しましょうか? そうだ、韓国のりにしよう。 味や風味だけではなく、目にも楽しめますし、簡単に作れます。
トマトソースをベースにしているので完全に異なる3種類の味に作り上げることは出来ませんが、イタリア、インド、韓国の特徴を表すスパイスや食材を足すと個性をもった一皿を作ることができます。
3人で「どれにする?」とジャンケンしても良し、1人で3日分の食事を作っても毎回飽きずに食べられますよ。
イタリア風は簡単です。そもそもトマトソースを使っているのでここにチーズを乗せるだけで完成。もし、茹で野菜などがあれば、にんじんやブロッコリーを添えると彩りが華やかになります。
次にインド風。トマトソースにカレー粉を入れましょう。これだけでは芸足らずなので何を足そうかな・・? と思いついたのがインド料理に頻繁に登場する豆。インドにはベジタリアンが多いためたんぱく質を摂るために豆を食べる人が多くて豆の種類も豊富です。見た目も可愛くなるミックスビーンズを入れてインド風の完成。
最後に韓国風。トマトソースに韓国唐辛子を入れます。韓国唐辛子は見た目こそ真っ赤で「辛そう~」とビビリますが甘みやうま味があってそれほど辛くはありません。あと何を足しましょうか? そうだ、韓国のりにしよう。 味や風味だけではなく、目にも楽しめますし、簡単に作れます。
トマトソースをベースにしているので完全に異なる3種類の味に作り上げることは出来ませんが、イタリア、インド、韓国の特徴を表すスパイスや食材を足すと個性をもった一皿を作ることができます。
3人で「どれにする?」とジャンケンしても良し、1人で3日分の食事を作っても毎回飽きずに食べられますよ。
レシピ
材料
(グラタン皿3つ分)
合挽肉 240g
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
ナツメグ 少々
パン粉 15g
牛乳 大さじ4
玉ねぎ 1/4個
卵 1/2個
トマトソース 約300ml
<イタリア風 >
パプリカパウダー 少々
スライスチーズ 1枚
<インド風>
カレー粉 小さじ1/2
ミックスビーンズ 50g
< 韓国風>
韓国唐辛子 小さじ1
のり 3切り 1枚
ごま油 適量
塩 適量
※ 基本のトマトソース缶は295gです
※ キユーピーのサラダクラブ ミックスビーンズは1袋50gです。
※ 海苔のサイズは規格で決められていて一番大きな“全形海苔”が約24cm x 22cmです。3切りは全形を縦に3分割した大きさで約6.6cm x 19cm。海苔の包装パッケージに“3切り”と表記されています
合挽肉 240g
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
ナツメグ 少々
パン粉 15g
牛乳 大さじ4
玉ねぎ 1/4個
卵 1/2個
トマトソース 約300ml
<イタリア風 >
パプリカパウダー 少々
スライスチーズ 1枚
<インド風>
カレー粉 小さじ1/2
ミックスビーンズ 50g
< 韓国風>
韓国唐辛子 小さじ1
のり 3切り 1枚
ごま油 適量
塩 適量
※ 基本のトマトソース缶は295gです
※ キユーピーのサラダクラブ ミックスビーンズは1袋50gです。
※ 海苔のサイズは規格で決められていて一番大きな“全形海苔”が約24cm x 22cmです。3切りは全形を縦に3分割した大きさで約6.6cm x 19cm。海苔の包装パッケージに“3切り”と表記されています
下準備
1. パン粉を牛乳に浸しておく
2. 卵をよく溶きほぐしておく
3. オーブンを220度に予熱する
2. 卵をよく溶きほぐしておく
3. オーブンを220度に予熱する
作り方
1. 玉ねぎをみじん切りにする。
2. トマトソースを3つのグラタン皿に分け入れる。
イタリア風 パプリカパウダーを2振りくらい加えてよく混ぜる
インド風 カレー粉を小さじ1/2加えてよく混ぜる
韓国風 韓国唐辛子を小さじ1加えてよく混ぜる
→ どのお皿がイタリア風なのか、インド風なのか、韓国風なのかわかるようにしておきましょう。
3. 合挽肉を冷蔵庫から出してボウルに入れる。塩、こしょう、ナツメグを加え、利き手で合挽肉を摑んでは離す、“グー・パー”して少しほぐれたら手でつかんでボウルの中をグルグルと回す。片手で収まらない肉の量なので2周くらい回したら手からこぼれた肉を集めてグルグル回す。少しすると肉からしみだしてきた脂でボウルの底がうっすら白くなる → 肉に粘りが出てきた目安。
4. 玉ねぎのみじん切り、牛乳とパン粉、溶いておいた卵を加えてさらに混ぜる。
5. ボウルの中で合挽肉を3等分に分け、円形に整え、両手の間でキャッチボールのように肉を移動させて空気を抜く。
6. 3つのグラタン皿に肉を入れる。
イタリア風にはスライスチーズを乗せる
インド風にはミックスビーンズを半分乗せる
韓国風には何も乗せない
7. 予熱をしたオーブンに入れて20分焼く。
8. 焼いている間に海苔にごま油を塗り、塩をかるく振ってフライパンで温める。片面1分~1分半程度。焼きすぎると海苔の色が悪くなるので注意。1.5cm程度の幅にハサミで切る。
9. オーブンからハンバーグを出す。
イタリア風は完成
インド風には残りの半分のミックスビーンズを乗せて完成
韓国風には焼いた海苔をかけて完成
※ 焼いている間にミックスビーンズがソースの中に沈んでしまうので半量をとっておいて焼き上がりにハンバーグの周りに散らすと可愛い盛りつけになります。
2. トマトソースを3つのグラタン皿に分け入れる。
イタリア風 パプリカパウダーを2振りくらい加えてよく混ぜる
インド風 カレー粉を小さじ1/2加えてよく混ぜる
韓国風 韓国唐辛子を小さじ1加えてよく混ぜる
→ どのお皿がイタリア風なのか、インド風なのか、韓国風なのかわかるようにしておきましょう。
3. 合挽肉を冷蔵庫から出してボウルに入れる。塩、こしょう、ナツメグを加え、利き手で合挽肉を摑んでは離す、“グー・パー”して少しほぐれたら手でつかんでボウルの中をグルグルと回す。片手で収まらない肉の量なので2周くらい回したら手からこぼれた肉を集めてグルグル回す。少しすると肉からしみだしてきた脂でボウルの底がうっすら白くなる → 肉に粘りが出てきた目安。
4. 玉ねぎのみじん切り、牛乳とパン粉、溶いておいた卵を加えてさらに混ぜる。
5. ボウルの中で合挽肉を3等分に分け、円形に整え、両手の間でキャッチボールのように肉を移動させて空気を抜く。
6. 3つのグラタン皿に肉を入れる。
イタリア風にはスライスチーズを乗せる
インド風にはミックスビーンズを半分乗せる
韓国風には何も乗せない
7. 予熱をしたオーブンに入れて20分焼く。
8. 焼いている間に海苔にごま油を塗り、塩をかるく振ってフライパンで温める。片面1分~1分半程度。焼きすぎると海苔の色が悪くなるので注意。1.5cm程度の幅にハサミで切る。
9. オーブンからハンバーグを出す。
イタリア風は完成
インド風には残りの半分のミックスビーンズを乗せて完成
韓国風には焼いた海苔をかけて完成
※ 焼いている間にミックスビーンズがソースの中に沈んでしまうので半量をとっておいて焼き上がりにハンバーグの周りに散らすと可愛い盛りつけになります。
島根県江津市のお料理教室から
🅟🅡🅞🅕🅘🅛🅔
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<ディプロマ>
東京會舘クッキングスクール 西洋料理応用専攻コース修了
一般社団法人ベターホーム協会 魚料理、肉料理、飲茶、イタリア料理各コース修了