植物性たんぱく質の食べ物といえば、まず思い浮かぶのは豆腐や納豆という人が多いのではないでしょうか。両方とも大豆から作られた食品です。

大豆にはたんぱく質が約34%含まれていて確かに高たんぱくではありますが、脂質も20%近く含まれています。

えんどう豆はどうかというと・・・
たんぱく質 約22%
脂質 2.3％

たんぱく質の量は大豆に負けますが、脂質は何と大豆の10分の1。
カロリーを控えたい時にはおすすめです。

豆類の中で脂質が一番高いのは落花生で約48%。ピーナッツバターやピーナッツクリームが作られるくらいですから脂肪が多いのは頷けます。

落花生の次に脂肪が多いのが大豆で、そのほかの豆類、あずきやひよこ豆、ソラマメ、レンズ豆などはえんどう豆と同じく2%程度の脂質しかありません。

出典：豆の主な栄養素 | 公益財団法人 日本豆類協会 (mame.or.jp)

えんどう豆はビタミンB群が豊富です。
ビタミンB群は主にエネルギー代謝を助ける補酵素です。

エネルギー代謝とは
① 食べ物からエネルギーを摂取して
② 体がエネルギーを利用して消費し
③ エネルギーを体内で蓄積する
という３つの動きをバランスよく行うことです。

エネルギーの摂取量が消費量を上回ると体の中にエネルギーを蓄積し
エネルギーの摂取量が不足すると体内に蓄積されたエネルギーを放出します。

エネルギー源であるたんぱく質、糖質、脂質を摂ってもビタミンＢ群が不足しているとエネルギー代謝はうまくいきません。

えんどう豆に含まれるビタミンB群は・・

ビタミンB1
「疲労回復のビタミン」と呼ばれて糖質の代謝をサポートしています。

ビタミンB2
たんぱく質、脂質、糖質のエネルギー代謝をサポートしています。
また、「美容のビタミン」と呼ばれて皮膚や粘膜の機能を維持したり成長を助けたりします。

ビタミンB6
たんぱく質はアミノ酸に分解して吸収してから体に必要なたんぱく質に再合成されるのですが、ビタミンB6はこのたんぱく質の再合成をサポートしています。

葉酸
「造血のビタミン」と呼ばれ、赤血球の合成に働きます。
赤血球の寿命は120日で体の中では常に新しい赤血球が作られています。
葉酸は体の基礎であるたんぱく質や核酸を合成するための酵素が働く時に補酵素としてサポートします。

核酸とは
・遺伝子情報をもつDNA
・遺伝子情報に基づいてたんぱく質の合成に関与するRNA
の総称です。

その人の遺伝子情報を正確にコピーしながら細胞が分裂して新陳代謝をしていくために葉酸は重要な役割を担っています。

グリーンピースには水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になって体内の不要物や老廃物を吸着し、排出させます。
また、ゼリー状になった水溶性食物繊維はゆっくりと腸に入るため糖質の吸収スピードが遅くなるので食後血糖値が急激に上昇するのを抑制します。

“プティ・ポワ・ア・ラ・フランセーズ”というフランス料理があります。

プティ（小さな）
ポワ（えんどう豆）
ア・ラ・フランセーズ（フランス風）

グリーンピースが旬を迎える5月から初夏にかけて楽しむ料理で、お皿一面をつややかなグリーンピースが埋め尽くすように盛りつけられ、その上にローストした肉や魚がちょこんと乗っているお料理です。

グリーンピースは新緑を思わせる鮮やかな緑色をしてふんわりとバターの香りをまとい、一緒に細かく刻んだ野菜、玉ねぎやにんじん、レタスなどと軽く煮込みます。

口に入れるとグリーンピースがプチっとはじけてホクホクした食感が楽しめます。

今回はお皿に敷き詰めるほどのグリーンピースが手に入らなかったのでお肉の上にソースとしてかけました。

グリーンピースを茹でる時の悩みといえば・・
・ きれいな緑色にならない
・ シワが寄っちゃう
の２つです。

旬のグリーンピースを使うのなら鮮やかな緑色に仕上げたいですよね。グリーンピースには“翡翠(ひすい)煮”という料理があるくらい、緑が美しい野菜。半透明の深い緑色が上品な光を放っている宝石に例えるとは洒落ていますよね。

フレッシュなグリーンピースはパンパンに張っていて欲しいもの。 皮がシワシワとしていると口に入れた時にコロッとした口あたりではなく、デコボコしていてがっかりしてしまいます。

この２つの悩みは同じ方法で解決できます。
それは、グリーンピースを茹でたらお湯から出さずにお鍋の中でお湯に浸したままゆっくりと冷ますことです。お湯から出してしまうとグリーンピースの中から水分が蒸発して、ややサイズダウンしてしまうために皮にシワがよります。
お湯に浸しながら冷ますということは予熱が入るということになります。ですので、豆が完全に柔らかくなるまで煮てしまうと予熱で豆が温まり色あせするので早めに火から下すことが肝心です。
グリーンピース100gなら沸騰したお湯で2分間茹で、火を止めてそのまま冷まします。

・材料（2人分）
グリーンピース 100g
塩 小さじ１

豚ロース厚切り 120g、2枚
塩 少々
黒こしょう 少々
薄力粉 適量

玉ねぎ 1/2個
サラダ油 適量
白ワインまたは日本酒 大さじ２
水 大さじ２
塩 少々
黒こしょう 少々
有塩バター 10g

1. グリーンピースをさやから出し、塩小さじ１をまぶす。
2. 沸騰したお湯にグリーンピース入れ、2分間茹でたら火を止めてそのままおく。
3. 玉ねぎをみじん切りにする。
4. 豚肉をまな板に乗せて厚みがあるところを叩いて厚みを均一にする。肉の脂身と赤身の境界にある筋に包丁で切れ目を入れる。包丁の先を立てるようにして1cm程度の切り込みを脂身の端から端まで1cm間隔程度で入れる。
5. 豚肉の両面に塩、黒こしょうをふり、5分おく。表面の水分をキッチンペーパーで拭き、薄力粉を両面にふる。
6. フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を立てて脂身を焼く（菜箸よりトングを使うと肉を持ちやすい）。脂身に焼き色がついたら肉を平らに置いて焼き、表面の脂が色づいてきたらフタをして弱火で2分位焼く。
7. 豚肉の表面が白っぽくなっていたら肉を裏返して火を止めて1分おく。
8. バット（またはお皿）に肉を取り出してアルミホイルで包む。
9. フライパンの脂をキッチンペーパーで拭き取り、サラダ油をたして玉ねぎを炒める。
10. 玉ねぎが透き通ってきたらグリーンピースの水気をきって加える。白ワインを入れてアルコール分を飛ばしたら水を加えて煮込む。水気が少し残る程度（ソースとして肉にかけられる水分量）になったら有塩バターを溶かし、味をみて塩、黒こしょうで調える。
11. 皿に豚肉をもりつけ、ソースをかける。

※ 肉の厚みを揃えておくと火の通りが均一になります。厚みがあるところは肉叩きを使うか、ビンにラップを巻くなどして叩いてください。
※ 肉の筋切りはやりすぎくらいに入れておくのがおすすめです。
※ 肉に塩、こしょうをしたら浸透して味が染みこむまで待ちます。
※ 肉の焼き方はイタリア料理のシェフ、落合務さん著「落合務のパーフェクトレシピ」を参考にしています。落合シェフは“みんな、肉を焼きすぎなんだ！”と力をこめて説明してくれていてそのエッセンスは「肉は片面に８割がた火を入れ裏面は予熱だけ。これで焼きすぎが防げます」。私も実践しています。
※ 「落合務のパーフェクトレシピ」からもう１点。豚肉の美味しさは脂にあるので脂をしっかりと焼きましょう。最初に脂身から焼くのはそのためです。赤身より火通りに時間がかかるのでまず脂身を焼いてから赤身を焼きます。
※ ソースにはバターの塩分があるのでバターを入れた後に味をみて、追加の塩がいるかどうかを判断してください。

豚肉に限らず、鶏ムネ肉でもモモ肉でも、白身の魚とも合うソースです。トーストに乗せて食べても美味しいです。