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これから旬を迎える秋サバをムニエルで。短い時間ですぐ作れます。

これから旬を迎える秋サバをムニエルで。短い時間ですぐ作れます。

暑い日々が続いています。今年は特別暑い夏でピークから比べるとちょっぴりマシになったような・・きっと秋はやってきます。秋といえば食欲の秋。そして実りの秋。美味しい季節の到来です。まずはすぐに作れるおうちフレンチでサバを食べませんか?(2025年9月6日更新)

ムニエルとは

フランス語“ムニエル(meunière)”とは”粉屋“という意味。ムニエルは魚に小麦粉をまぶして焼く料理です。

魚を焼くにはグリルが一番!と思うかも知れませんが、グリルは後片付けに手間がかかるし皮がはがれやすいため焼き上がりの見た目がイマイチにもなりやすいのですが、ムニエルをフライパンで焼けば解決します。

魚の両面に塩、こしょうをしたら小麦粉(薄力粉)をまぶしてフライパンで焼くだけなのでとても手軽で短い時間で作れます。バターで焼くことで味が淡泊な魚にコクがプラスされ、溶かしバターをかけレモンを絞って食べるのが伝統的な調理法。

小麦粉をまぶして焼くとどのような効果があるのでしょう?

ムニエルが美味しい理由

魚の身が崩れにくくなる

薄力粉を魚全体にまぶすと表面に薄い膜ができるため、魚のタンパク質が高温の熱に直接触れにくくなります。

魚の皮の下にはコラーゲンがあります。コラーゲンは硬い繊維なのですが80℃くらいになると柔らかくなるため皮が身からはがれやすくなって浮き上がるようになり、破けてしまうことが多々あります。
薄力粉で魚の表面を覆っておくと皮が補強され、結果的に身が崩れにくくなります。

香ばしい焼き色をつける

薄力粉が熱によってきつね色に色づき、香ばしい風味美味しそうな焼き色になります。
これは“メイラード反応”と呼ばれ、ブドウ糖や果糖などとタンパク質やアミノ酸を加熱した時に起きる現象です。

魚自体にもタンパク質やアミノ酸があるのでメイラード反応は起きます(グリルで魚を焼いた時に焦げますよね)。しかし、前項でお話したように薄力粉をまぶさずに焼くと皮がはがれやすくなってしまうため美味しくきれいに焼くのはかなり困難です。

ソースがよくからむ

今回ご紹介するレシピは細かくカットした野菜と一緒に食べるムニエルですが、ポピュラーなソースは

レモンバターソース
しょうゆバターソース

など溶かしバターのとろみと風味を生かしたものです。液状のソースをかけて食べる時は魚の表面が薄力粉で覆われているほうがよくなじみます。ソースが粉に染みて絡んでくれるからです。粉で覆われていない魚にソースをかけると流れ落ちてしまいます。

薄力粉以外の粉を使う場合

片栗粉

片栗粉の主な成分はじゃがいものでんぷんでグルテンがありません。水と熱が加わると透明なとろみがつくため、あんかけなどに使われますよね。

魚に片栗粉をまぶすと粉は透明になってパリッとした焼き上がりになります。

米粉

米粉にはグルテンがなくサラリとしてダマになりにくいのが特徴です。魚にも均一に薄くつけることができ、カリッとした軽い食感に焼きあがります。

おからパウダー

大豆を粉砕した粉です。糖質が少ないのでダイエット中の人に向いています。糖質が少ないのはデンプンの含有量が少ないためで、こんがりとした焼き色はつきにくくなります。
また、おからパウダーは水分を吸いやすいので粉の膜が厚くなりがちでザラリとした食感(サクサクという食感が強めな感じ)になります。

ムニエルにするなら

向いている魚

白身魚
ひらめカレイタイはクセがなく王道の溶かしバターのソースがよく合います。水分が多く皮がはがれやすいので薄力粉で膜を作るときれいに焼けます。

やや脂がのっている魚
サーモンイサキは薄力粉をまぶすと魚の脂肪分のくどさが和らぎます。
薄力粉でサクッとコーティングされた内側にとろりと脂がのった食感はとても美味しく感じます。

青魚
サバサワラなどは脂がのっているので上記で述べたような効果があります。また、青魚独特の風味が王道のレモンバターソースなどを使うと緩和されて青魚が苦手な人も食べやすくなります。

向いていない魚

赤身の魚
マグロカツオは焼くとパサつきます。ムニエルに限らず赤身の魚に火を通すのは難しいのでカツオのたたきのようにちょうど良い塩梅に皮だけをパリッと焼くとか、衣をつけて魚自体は超レアに揚げるなどのプロの技が必要です。

小骨が多い魚
イワシアジなどは小骨が多いため焼き魚にするか、フライが適しています。

サバのムニエル

家庭で作りやすい魚

フレンチレストランで提供しているムニエルは舌平目やカレイが多く、平べったい魚に薄く均等に小麦粉をつけて黄金色に焼き揚げています。ムニエルは手軽に作れるといっても、身が薄い魚は火加減が難しく、まんべんに粒子をそろえて薄力粉をふるテクニックとスキルが必要です。

そこで、家庭で作りやすくて値段が手ごろなサバで作りました。

マサバは秋から冬、ゴマサバは夏から秋のはじめが旬で一年を通して手に入りやすい魚なのもメリット。特に秋サバは一年の中でも美味しい季節なのでこれからが旬です。

サバの栄養

サバにはDHAEPAが豊富なことはよく知られていると思いますが、ビタミンB12、ビタミンDも豊富です。両方とも野菜や果物にはあまり含まれない栄養なので魚から摂らないと。

ビタミンB12
正常な細胞の増殖を助けるほか、赤血球やヘモグロビンの合成を助けます。

ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を助け、骨の形成を促します。骨粗しょう症を防ぐにはカルシウムだけではなくビタミンDを摂るのも大切。

野菜ソースでサバのクセを中和する

サバといえば独特の匂いがあります。匂いを取る方法として

1. 塩や酒をふりかけてしばらく置き、出てきた水分を拭き取る
 焼き物にする時にやる方法です。
2. 熱湯にさっとくぐらせて冷水にとり、ぬめりや水気を拭き取る。
 煮物にする時にする方法です。
3. 香味野菜や香辛料と合わせる
 揚げ物や蒸す料理に向いています。

今回は3の方法をとりトマトや玉ねぎなどのソースを合わせてサバの味が強調されすぎないように、野菜によってよりサバの美味しさが引き出せるようにしました。

この野菜ソースは混ぜ合わせてから30分くらい置くと互いの味がなじんでさらに美味しくなります。
1日目はフレッシュな美味しさ、冷蔵庫で保存した2日目は深みが出てじんわりとした美味しさがあります。

焼く時の注意点

ポイントはフライパンに魚を置いたらしばらく放置して動かさないことです。

皮がしっかり焼ける前に動かすと皮が破れてしまうからです。また、熱を加えると魚から出てきた水分が小麦粉に伝わるので、魚を動かすと小麦粉からグルテンが作られてしまってサクッとしなくなります。

レシピ

材料(2人分、野菜ソースは2日分)

サバ 1匹(3枚におろしたもの)

塩     ふたつまみ
黒こしょう   適量
小麦粉   大さじ1

<ソース>
トマト    1個
玉ねぎ    1/4個
ピーマン   1個
ケッパー   小さじ1
塩      小さじ1/4

オリーブオイル   適量

※ 塩ひとつまみは3本指でつまむ量です。
※ ケッパーの代わりになるのはピクルス、らっきょうの甘酢漬け、オリーブなど。

作り方

1. トマトはヘタをとって1cm角に切る。玉ねぎはみじん切り、ピーマンはヘタと種を取り除いて1cm角に切る。
2. ボウルにトマト、玉ねぎ、ピーマンを入れ、ケッパー、塩、こしょうを加えて混ぜ合わせる。
3. サバの水分をペーパーで拭き取り、両面に塩、こしょうをふって10分おく。
4. サバの表面に水分が出てくるので、もう1度ペーパーでふく。両面に小麦粉をたっぷりとふる。
5. フライパンにオリーブオイルを熱し、余分な小麦粉をはたいてからサバを皮目から焼く。
6. サバの周りや身が白っぽくなってきたら裏返し、身側を焼く。
7. 皿に皮目を上にして盛りつけ、ソースをたっぷりと添える。

※ 包装容器から取り出したサバについている水分には臭みが入っているのでキッチンペーパーでよく拭き取ってください。
※ 魚に塩、こしょうをふって身全体に行き渡るには10分程度かかります。
※ 小麦粉は100円ショップで売っている“小麦粉ふりふりストッカー”を使うと便利です。筒状の入れ物の口が網目になっているので小麦粉がかたまりのまま食材につくのを防いでくれます。
※ サバを裏返すタイミングがわかりづらい時は身の真ん中を指でさわって体温より少し温かくなっていたら裏返すのもアリ。裏返した時に皮がパリッと焼けているのもポイントです。魚の大きさや厚みによって焼き時間は変わります。身が白くなる身が温かくなっている皮がパリッとしている、を目安にしてください。

フライパンから取り出しやすいように皮目を上にして盛りつけていますが、皮目を下にするのがムニエル本来の盛りつけです。盛りつけ時に反転させると身が割れるリスクがあるのでやりやすい方法で盛りつけてください。

島根県江津市のお料理教室から


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ココットキッチンスタジオは料理、パン、お菓子が学べる料理教室です。
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このブログではオーナー 福田順子がレシピや料理のワンポイント、食材の豆知識などをお届けしています。

取得資格: ABCクッキングスタジオの認定インストラクターとして登録
     ABCクッキングライセンス
     ABCブレッドライセンス
     ABCケーキライセンス
     日本ヘルシーフード協会 ヘルスフードカウンセラー1級
<ディプロマ>
     東京會舘クッキングスクール 西洋料理応用専攻コース修了
     一般社団法人ベターホーム協会 魚料理、肉料理、飲茶、イタリア料理各コース修了

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