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1/2サイズのキャベツで作る欧風ロールキャベツ

1/2サイズのキャベツで作る欧風ロールキャベツ

ロールキャベツは寒い冬に大人気の料理です。では、作りましょうか?というと、ちょっと気が重いのは“ひと玉買ったキャベツをどうするか問題”やうまくできるだろうか・・?という数々のポイントがあるから。こんな風にしてみたらどうでしょう?

ロールキャベツ

どこの国の料理?

ロールキャベツの発祥はトルコです(厳密に言えば現在のトルコがあるアナトリア半島で、トルコという国が誕生する以前の話)。
トルコは世界三大料理の1つに数えられる料理界のレジェンドで世界各地の国々の料理に影響を与えました(2022年6月20日“トルコ風きゅうりのスープ”を参照ださい)。

涼しさを体に取り込む冷たいスープの決定版



1世紀頃から肉や米をぶどうの葉で包みスープで煮込んだ“ドルマ”という料理が始まりと言われているので2000年以上の歴史をもっています。
キャベツは古代ギリシャ時代から薬用として使われていた(胃薬ということでしょうか?)そうなので、地理的にはトルコととても近いためぶどうの葉からキャベツに変わったのかな?と想像します。

スパイスを効かせて

トルコをはじめとするヨーロッパや中東の国々では肉料理にスパイスを組み合わせて使うのが一般的です。ロールキャベツの肉だねにも塩、こしょうの他にクミン、シナモン、ジンジャーなどを入れて肉に香りをまとわせます。
クミンやジンジャーを使うのは分かりますけどシナモンはお菓子やデザートに使うイメージなのでちょっと意外ですよね。

ヨーロッパも中東も基本的には肉食です。魚介類が獲れる海沿いの地域を除いては肉がたんぱく源になるのでいかに肉を美味しく食べるか、そして保存技術が限られた歴史のなかでスパイスを使って肉を食べる術を編み出してきたのです。

“お菓子”という先入観を除いて肉料理にシナモンを使ってみると結構よく合うことを発見できます。甘い味つけになるわけではなく肉に清涼感をプラスしてくれるような気がします。

ジンジャーも欠かせません。日本ではすりおろした生姜や生姜のしぼり汁を使いますが、ヨーロッパでは乾燥させてパウダー状に砕いたものを使います。スーパーのスパイス売り場にコショウやタイムなどと並んでジンジャーも売っていますよ。乾燥させたジンジャーはすりおろした生姜よりピリリとした香りをとより強い風味を感じます。

今日はこれらのスパイスを入れて、ヨーロッパで人気がある焼きロールキャベツを作ってみましょう。

ロールキャベツを作ろう

キャベツを制する者、ロールキャベツを制する

「ロールキャベツは食べたし、作るのは難し」の理由は“キャベツは手ごわいから”。

ひと玉買わないといけない
しっかりと巻かれたキャベツの葉をはがすのは難しい
はがすのを失敗した葉っぱは使えない

キャベツをめぐる数々のハードルが作ろうというヤル気にブレーキをかけてしまいがちです。
それならキャベツを手なずけてしまえばいいのです。

こんなやり方がありますよ。

1/2サイズのキャベツを使う

ひと玉のキャベツの葉を使えばしっかりと肉ダネを包めますが、1/2サイズでも2枚の葉を少し重ねて使えばちゃんと包めます。普通の肉を包む場合は形がはっきりとしているのでキャベツが柔軟性を発揮して包まなければいけませんが、ひき肉で作った肉ダネは柔らかくて弾力があるので肉ダネのほうがキャベツに合わせて包まれてくれます。

また、1/2サイズの葉っぱを茹でるのなら鍋もそんなに大きくなくて済みます。お湯が沸く時間が短縮され、重たい鍋を持ちあげてお湯を捨てなくても良いので体の負担が減ります。

2枚使っても肉ダネを巻く大きさとしては十分にならない時は巻き終わりを楊枝で留めておきます。

キャベツの葉っぱを上手にはがす

ぎっちりと巻かれたキャベツはそぉっとめくり始めた途端にピッと切れ目ができてしまうくらいに一体感があります。
芯を取り除いて丸ごと茹でて葉っぱを柔らかくする方法もありますが、茹でたひと玉のキャベツの使いみちを考えるのは結構難しい・・・。

そこで、芯を取り除いたキャベツを大きめのザルに逆さま(除いた芯があったところが上になるように)入れて真ん中(芯があったところ)に向かって水道の水そジャージャーとかけます。すると、ぎっちりと詰まっている葉っぱの間に少しずつ水が入ってすき間ができ、そこにどんどんと水が流れてくることで葉っぱが外れてくるのです。
最初はちょっと時間がかかりますが、葉っぱの間にある程度水が流れるようになったらどんどんとはがれてきます。

包むため使うキャベツの葉は2枚1組が基本ですが、葉の大きさはさまざまで中心にいくにつれて葉のサイズは小さくなります。場合によっては3枚使う場合もあり、包む以外の使いみちもあるので多めにはがしておきましょう

キャベツを茹でる

鍋にお湯を沸かしたら、お湯1000mlに対して塩小さじ1を入れます。
塩を入れるとキャベツに下味がつき、葉の緑色が安定します。

お湯はグラグラと沸騰させる必要はなく鍋の底から泡がフツフツと上がってきたらキャベツの葉を入れます。丸まっているキャベツの葉を上向きにしておたまで上からぐっと押し付けるようにします。葉を下向きに入れると丸まった葉の中に空気が入ってお湯に沈まず、それを無理に上から押すと破れやすくなるのでご注意ください。
茹でる目的は肉ダネを巻ける柔らかさにすることなので、2分くらい茹でたらトングやヘラなどで葉っぱを触って巻けそうな柔らかさになっているかを見てみましょう。菜箸を使って確認するのは葉っぱを破ってしまいがちなのでおススメしません。

キャベツ in キャベツ

余ったキャベツ”の解決策です

茹で上がったキャベツの水気を拭いて2枚1組にして肉ダネを包めそうか、見てみましょう。
余りそうなキャベツは細かく刻んで肉ダネに入れます。
キャベツが入った肉ダネシャキシャキとした歯ごたえやキャベツの甘みがプラスされ、肉ダネを包み込むキャベツと味の一体感もアップします。

餃子のタネにキャベツを入れるのと同じ発想。
これといった特徴のある味がある訳ではないのにじんわりと甘みが染みこみ、シャキシャキとして噛む楽しさも生まれるので、ぜひ “キャベツ in キャベツ“を試してください。

キャベツの栄養

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンを作るのに必須のビタミンです。
コラーゲンというと“お肌プルプル”が思い浮かびますが、他にも多くの役割を担っています。

主なものは
・皮膚や腱、角膜などを結合させている
・骨の形成に大きくかかわっている
・軟骨や関節の主要な成分である
・肌のダメージを回復させ、血管の弾力性を高める
です。

粘着質のコラーゲンですから接着剤として活躍するのは想像がつきます。
骨といえばカルシウムですがコラーゲンの繊維にカルシウムなどがくっついているのでコラーゲンありきなのです。骨密度の検査でカルシウムやミネラルは十分なのに骨折したり転びやすくなるのはコラーゲンが少ないために骨のしなやかさが足りないことが原因かも知れません。

ビタミンCは抗酸化作用があるので体の中に発生した活性酸素を除去してくれます。つまり、細胞の老化防止に大活躍!

出典:実は知らなかったコラーゲンの効能。大正製薬製品情報サイト



ビタミンK

主な役割は血液凝固に関するものです。ビタミンKが不足すると出血が止まりにくくなります。
また、骨に必要なたんぱく質を活性させたり、カルシウムが骨にとりこまれるのを助けたりして骨の形成を促進させます。

ビタミンU

胃腸薬としても知られている“キャベジン”はビタミンUの別名です。
胃腸の粘膜を丈夫にして胃酸の過剰な分泌を抑える働きがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療に活躍しています。

欧風焼きロールキャベツ

肉ダネのつなぎとしてよく使われるのはパン粉や溶き卵ですが、今回はお米を使います
ヨーロッパでお米は主食ではなく野菜としてサラダやスープに登場するほか、肉料理の付け合わせにも使われます。茹でて洗って水気を切って・・と少々追加の手間がかかりますが、肉だねから出る旨みを吸いこみご飯の食感が加わって美味しくなります。

すでに炊いたご飯を流水で粘り気をとってもOK。ザルで水気はよく切ってください。

材料(4個 + 肉団子2個分)

キャベツ (1/2サイズ) 10枚
塩(茹で湯用) 適量
キャベツの茹で湯   茹でた後、100mlをとっておく

米 1/2カップ(100ml)
米の茹で湯 たっぷり

玉ねぎ 30~35g
合挽き肉 250g
塩 小さじ3/4
こしょう 適量
シナモンパウダー 2~3振り
ジンジャーパウダー 2~3振り
クローブ 2~3振り

サラダ油 適量
コンソメ顆粒 小さじ1
バター 10g

<付け合わせ>
にんじん 1本
砂糖 大さじ1+1/2
バター 10g

スナップえんどう 8個
塩 適量

※ 米は炊くのではなく茹でるのでお湯の量の指定はなく“たっぷり”のお湯。
※ シナモン、ジンジャー、クローブの”ひと振り”は大して出なかったり、「わっ!」と驚くほど沢山出たりするので2振りは目安です。初めて試す時は少なめにしておくのが良いでしょう。
※ にんじん、スナップえんどうは付け合わせなので他の野菜、ブロッコリーやきのこ類、ポテトなどうちにある野菜を使ってください。

作り方

1. 米をざっと洗う。鍋にたっぷりのお湯を沸かして米を入れ、13~15分茹でて芯がなくなったのを確認したらザルにあけ、流水でぬめりをとる。
2. キャベツは芯を取り除き、芯があった方を上にしてザルに入れ、上から流水をかけて葉を12枚程度はがす。
3. 鍋にお湯を沸かし、塩小さじ1を入れ、キャベツの葉を2分位茹でる。肉ダネを包めるくらいの柔らかさになったらザルにあけ、水気を拭いておく。茹で湯は100mlとっておき、コンソメ顆粒小さじ1を溶かしてよく混ぜ合わせる。
4. キャベツの葉を2枚を少し重ねるようにして広げ、6組分とりわける。残りの葉は細かく刻む。
5. 茹でた葉の芯の部分が盛り上がっていたら包丁で削いで平にする。
6. 玉ねぎをみじん切りにする。フライパンにサラダ油を熱し、玉ねぎを入れ、透明になってしんなりするまで炒める。
7. 冷蔵庫から合い挽き肉を出してボウルに入れ、利き手でグーパーするようにひき肉をつかんでは離すのを7~8回繰り返したらひき肉をつかんでボウルの中をグルグルと回す。ボウルの底に薄く白い脂がつくようになるまで行う。
8. 炒めた玉ねぎ、塩、こしょう、シナモンパウダー、ジンジャーパウダー、クローブ、米、刻んだキャベツを入れてよく混ぜ合わせる。6等分し、俵形にする。
9. 2枚1組にして広げたキャベツの手前中央に肉ダネを乗せ、ゴロンと転がして一巻きしたら左右の葉を中央に折りたたみながら巻く。1/2サイズの葉を使っているので巻き終わりが安定しづらいため、楊枝で留めておく
※ 葉が足りなくなってしまったら肉ダネはそのまま焼いてしまいましょう。今回も2個は肉だんごになりました。
10. フライパンにバターを熱し、ロールキャベツ(と肉だんごがあればそれも)を巻き終わりを下にして入れ、焼き色をつけます。
11. 両面に焼き色がついたら弱火にしてフタをし、取りおいておいたキャベツのゆで汁にコンソメを溶かしたものを少しずつ加えながら蒸し煮にします。

<にんじんのグラッセ>
1. にんじんは皮をむき、8mmくらいの厚さの輪切りにする。
2. 鍋に入れ、ひたひたの水を入れ、砂糖を加えて強火にかける。煮立ったらアクをとり、弱めの中火にして20分くらい煮る。
3. 水分がほぼなくなったらバターを溶かしてからめるようにして1分くらい弱火で煮る。

<スナップえんどう>
1. スナップえんどうの筋を取る。
2. 鍋に湯をわかし、塩を入れ、スナップえんどうを入れて再沸騰してきたら2分半茹でる。
3. ザルにあけて流水で色止めをする(予熱でこれ以上熱が入って野菜の緑色があせてしまうのを防ぐ)。

※ キャベツの巻き終わりを下にしてフライパンに入れると巻き終わりが安定します。巻き終わりを楊枝でしっかり押さえている時は楊枝の上にロールキャベツが乗って不安定になるため巻き終わりを上にします
※ 蒸し煮にしている間にロールキャベツから肉汁が出てきてスープが美味しくなります。 このまま食べても美味しいですが、ケチャップやケチャップにウスターソースを少し混ぜたものを乗せてもgood。ラズベリーなどの酸味と甘みのあるジャムもよく合います。

1/2サイズのキャベツならロールキャベツを作った後にコールスローを作るのにちょうど良いくらい余ります。または、軽く火を通して巣ごもりサラダも簡単に作れます。次回、ご紹介しましょう。

島根県江津市のお料理教室から


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ココットキッチンスタジオは料理、パン、お菓子が学べる料理教室です。
作り慣れた定番のごはんをもっと美味しく作るために意外と忘れられている「基本」、新しい味の世界をのぞいてみる「好奇心」、日頃の疑問や悩みの答えを見つける「発見」の3つを大切にしています。

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このブログではオーナー 福田順子がレシピや料理のワンポイント、食材の豆知識などをお届けしています。

取得資格: ABCクッキングスタジオの認定インストラクターとして登録
     ABCクッキングライセンス
     ABCブレッドライセンス
     ABCケーキライセンス
     日本ヘルシーフード協会 ヘルスフードカウンセラー1級
<ディプロマ>
     東京會舘クッキングスクール 西洋料理応用専攻コース修了
     一般社団法人ベターホーム協会 魚料理、肉料理、飲茶、イタリア料理各コース修了

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