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暑さ疲れにアメリカ南部の庶民の味、チキンガンボがじんわりと美味しい。

暑さ疲れにアメリカ南部の庶民の味、チキンガンボがじんわりと美味しい。

猛暑が日本中に広がる夏、8月の半ばに入ると疲れが溜まってきます。あっさりとした味を選びがち、冷たいものを好んでしまう・・そんな気分になりますよね。 わかります、よくわかります。もし、「体力が落ちたな」「なんか元気がでないな」と思った時には体にエネルギーを入れてください。そして体を温めてあげましょう。今日はそんな時にぴったりの料理を紹介します。

ケイジャン料理

ケイジャンってなあに?

ヨーロッパから大挙してアメリカに移民が移住していた18世紀にアメリカ北東部のアカディア地方に入植した後、土地を追われてルイジアナ州南部、現在のニューオリンズ周辺に移動したフランス系移民を指す言葉です。アカディア人= Acadians(アケイディア人)から派生してCajun(ケイジャン)と呼ばれるようになりました。

アカディア地方というのはアメリカとカナダの一部を含む地域です。新大陸、アメリカではイギリスとフランスが土地を巡って戦いを続けていましたがイギリスが勝利し、フランス系移民たちは南下してルイジアナまで逃れました。

ルイジアナという名称はルイ14世にちなんで名づけられたことから分かるようにフランスが開拓した土地です。しかし、アカディアからやってきたフランス系移民がやってきた当時、ルイジアナはすでにフランスからスペインに割譲されていました。が、フランスがスペインと同じカトリック教徒であったためにフランス系移民は歓迎されてここに定着したようです(ちなみに、イギリスの宗教はイングランド国教会で国王が最大権力者ですからフランス人にとっては到底受け入れられることではありません。これがフランス人が追放された理由です。)

住みついたフランス人達はケイジャンと呼ばれるようになり、独自の言語(ケイジャン・フランス)、音楽、食生活を生み出し、ケイジャン文化と呼ばれるようになりました。
ルイジアナ州はケイジャンが住んだ土地として州の22郡を“アカディア”としてケイジャンの故郷として認定しています。

(参照元:ウィキペディア、Kinarino.jp、GoUSA.jp)
(イラスト元:ACイラスト、University of Louisiana at Lafayette)

ケイジャン料理

ケイジャン料理はケイジャン文化の中で最も知られているといって良いのではないでしょうか。
特徴は2つあります。
1つは地元の食材と使うこと、もう1つは庶民の料理、ということです。
主食は米セロリ、オクラ、ピーマン、たまねぎ、トマト、ピーマン等の野菜、そして川魚、ザリガニ、牡蠣、カニなどの魚介類を使います。当時はザリガニやワニ、カエルなどの土着の食材も食べていたようですが、今では鶏肉やソーセージなどに変わりました。これらの食材にチリペッパーや香辛料を効かせた味に仕上げるのが特徴です。

話はそれますが、25年前くらいにフロリダに旅行して日本料理店に行った時、隣りのテーブルに座ったアメリカ人夫妻から「日本料理について聞きたいのだが」と声をかけられ、何かと思ったら「日本にもワニが沢山いるのか?」と聞かれました。あまりにも意表を突く質問だったので「どうしてそんなことを聞くのか?」と聞き返したら「ワニを使った料理が沢山ある」とメニューを見せられ、(そんな馬鹿な)と思ったものの、確かにワニのステーキだのワニのフライだのが載っています。
「いえ、日本にワニはいないんですよ」と弁明しつつ、日本人のウエイターに聞いたら「フロリダではワニが沢山獲れるんです。食べてみると結構美味しいんですよ。」と言われました。ワニが美味しいということと日本料理店でワニ料理を出す、は別なのではないかと釈然としませんでしたが、地元で安く調達できる食材ってことなのでしょうかね?

ルイジアナ州はフロリダ州の少し左に位置していてメキシコ湾に面しているのでワニが泳いでいたのでしょう。どう見ても美味しそうには見えないけれど、日本のフグやあんこう同様、見た目で判断せずに食べようとする挑戦者がアメリカにもいたということですね。

チキンガンボ

ガンボとはオクラのことです。オクラのネバネバを利用してとろみのあるスープにしてご飯にかけて食べます。オクラ以外の食材は自由で特別な決まりはありません。庶民の食卓で食べるのですから、「あれを入れる」「コレはダメ」と言っていたらやってられません。

今回は鶏肉と複数の野菜を入れ、トマト缶を使ったスープをご紹介します。鶏肉ではなくソーセージでもいいし、トマトベースではなくコンソメベースのスープでもよし。庶民の私たちが手に入る食材ですぐ作れるのが大事。
あ、でも、オクラはご準備くださいね。ガンボ = オクラですから。

オクラ

オクラは寒さに弱い野菜なので日本では鹿児島県、高知県、沖縄県などの暖かい地域で盛んに栽培されています。
オクラ独特のぬめりの成分はガラクタン、アラバン、ペクチンといったいずれも食物繊維です。食物繊維というと文字通り繊維質の野菜というイメージがあるので、ネバネバも仲間だとはちょっと意外です。
βカロテンも豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、髪や皮膚の健康維持視力の維持に効果があります。また、カリウムとカルシウムというミネラル分も沢山含まれています。カリウムは塩分を体の外に排出するのでむくみを解消し、高血圧を抑える効果があり、カルシウムは骨を強くしてくれます。

(参照元:旬の食材百科)

材料

鶏もも肉 300g
玉ねぎ 1/2個
ピーマン 2個
オクラ 6本
にんにく 1片
薄力粉 大さじ1
カレー粉 小さじ1/3
チリペッパー 小さじ1/2
トマトの水煮 400ml
コンソメ顆粒 小さじ2
水 300ml
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
オリーブオイル 適量
ご飯 適量

下準備(オクラの板ずり)

1. 表面を水で濡らし、塩をふってこする。
2. ヘタの先端を切り落とす。
3. ヘタと実の境目にあるガクの黒い部分をぐるりと1周薄く剥き取る。

※ 濡らして塩をまぶし、両手の間、もしくは食材をまな板に乗せ、手のひらを置いてコロコロと食材を転がすことを“板ずり”と言います。“板ずり”は食材の表面を滑らかにして口当たりをよくするために行い、オクラ、きゅうり、ふきを食べる時にやってください。

作り方

1. 鶏もも肉は表面の水分を軽く拭き取り、余分な脂肪を取り除き、2cm角に切る。両面に塩、こしょうをふる。
2. 玉ねぎ、ピーマンは粗みじん切りにする。オクラは斜めに2~3等分する。
3. にんにくはみじん切りにする。
4. 鍋にオリーブオイルを大さじ1加えて熱し、鶏肉を中火で焼いて両面に焼き色がバットに取り出す。キッチンペーパーで鍋の脂の汚れを拭きとる。
5. 鍋にオリーブオイルを小さじ1加えて温め、玉ねぎをしんなりするまで中火で炒める。
6. ピーマンとにんにくのみじん切りを加えて炒め、鶏肉を戻し入れる。
7. 薄力粉を加えて30秒ほど炒めカレー粉、チリペッパーを加えて更に30秒炒める
8. トマトの水煮を入れ、水煮缶に水を少量入れて缶の中に残ったトマトを洗いながら鍋に加え、残りの水も鍋に入れる。塩、コンソメ顆粒を入れる。
9. 煮立ってアクが浮かんできたらアクを取り、中火で10分煮る。
10. オクラを加えて3分煮る。
11. 味を見て塩、こしょうで調えて器に盛りつける。

※ 鶏もも肉を炒めるとかなりの量の脂で出ます。この脂にも鶏肉の旨味が入っているので脂に浮いている汚れ(鶏肉の焦げた部分が肉から離れて細かいゴミのように散らばります)をふき取りましょう。キッチンペーパーをたたみ、菜箸やトングではさむと取りやすいです。キッチンペーパーを手で持って拭くとまだ熱い鍋に触ってしまうことがあるのでご注意ください。
玉ねぎは透き通って繊維が柔らかくなりしんなりすればOKです。あめ色にする必要はなく、あめ色になるまで炒めると仕上がりに茶色い玉ねぎが浮かんで見た目が悪くなってしまいます。
※ 薄力粉を入れてすぐに水を入れるとダマになりやすいので炒めて具材にからめます。カレー粉、チリペッパー等のスパイス類も炒めると香りが立つので、30秒位炒めてから水を入れてください。

今回は具材たっぷりのスープとしてのメニューとしてご紹介しました。
当ホームページの“ギャラリー”にもチキンガンボの写真が載っています。こちらはお皿の真ん中にご飯を盛りつけて周りにチキンガンボをかけました。ご飯と一緒に食べるのが本来のチキンガンボの食べ方です。が(ご飯を沢山食べるのはちょっと・・)という人はスープだけを食べるのもアリです。

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