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寒い日 = 濃い味もいいけれど、ほのぼの温まってしみじみ美味しいおうちフレンチ

寒い日 = 濃い味もいいけれど、ほのぼの温まってしみじみ美味しいおうちフレンチ

小寒に入り一年でもっとも厳しい寒い季節になりました。寒くなると体がエネルギーを蓄えようとしてこってりした味のもの、濃い味のものを食べたくなりますが、どうしても塩分が多くなりがち。温まって心もホッとする素材本来の味をじっくりと味わえる素朴な煮込み、ポトフを食べてみませんか?

ポトフとは?

シンプルを極めた煮込み

ポトフはフランスの家庭料理です。フランス語でPot-au-feuでpotは鍋、feuは火という意味なので「火にかけた鍋」のことです。

よくシチューと混同されるのですが、ポトフの特徴は3つあります。

かたまり肉と香味野菜を入れる
肉と野菜から出る旨みとハーブで煮込むシンプルな味付け
スープに浸して器に盛りつけない

シチューは世界中でその土地ならではのレシピがあります。煮込み料理なので入れる具材の自由度が高く、味付けや風味付けもその土地ならではの気候や文化が反映されます。
肉も野菜も食べやすい大きさにカットして煮込み、そして深さのある器に煮込んだスープと具材を一緒に盛りつけて味わいます。

一方でポトフに入れるのはかたまり肉と香味野菜、そしてスープには塩と何種類かのハーブとにんにくを入れるだけ。肉の旨味と野菜の風味を活かしていて、ブイヨンとして他の料理にも使えます。同じ器に具材とスープを盛りつけないで、具材は具材、スープはスープと別々に盛りつけます。ブイヨンが染みこんだ肉と野菜はそのまま食べても十分美味しいのですが、粗塩やマスタードをつけて食べるのが定番です。

世界のシチューいろいろ

シンプルなポトフとは対照的にシチュー組はバラエティーに富んだ顔ぶれです。

有名なところでは、

アイリッシュシチュー(アイルランド)
アイルランドの国民食で羊とじゃがいもを煮込んでいます。アイルランドは気候が厳しい土地で何度となく飢饉に見舞われ、寒冷地でも育つじゃがいもによって救われた歴史があるので、じゃがいもは欠かせない食べ物です。味付けはポトフのように塩とハーブが基本ですが、牛乳を入れたホワイトシチューも人気があります。

トリッパ(イタリア)
牛の胃袋をトマトで煮込んでいます。牛の胃袋は日本でも人気で見た目からハチノスと呼ばれています。胃袋=ホルモンで独特の匂いがあるため丁寧な下処理が欠かせません。コリコリとした歯ごたえを楽しみ、味は淡泊なのでトマトのようなはっきりとした味付けが向いています。

グーラッシュ(ハンガリー)
ハンガリー料理といえば、パプリカを使っているのが特徴です。パプリカはハンガリーの食卓には欠かせない野菜でさまざまな色や形のもの、甘めから激辛まで沢山の種類があります。グーラッシュはすね肉などの煮込み用牛肉をじっくりと煮込んで作ります。

フェイジョアータ(ブラジル)
牛肉や豚肉を沢山の黒豆と一緒に煮込みます。ハンガリー料理にパプリカが欠かせないようにブラジル料理に豆は欠かせません。豚の干し肉や燻製肉、耳や鼻、しっぽなどを黒豆と一緒に煮込む料理で茹でたお米やキャッサバ粉で焼いたパンを付け合わせます。キャッサバはいもの一種でタピオカはキャッサバのでんぷんから作られています。

ボルシチ(ロシア)
ロシア、東ヨーロッパの広く愛されているシチューでビーツを煮込んだ深紅のスープが特徴。地域によって入れる具材に多少の違いがありますが、共通しているのは仕上げにサワークリームを入れることとディル(ハーブの一種)を浮かべることです。

クスクス(モロッコ)
クスクスは世界最小のパスタと呼ばれ米粒くらいの大きさのパスタです。 牛肉や鶏肉のシチューにクスクスを添え、クスクスにかけて食べます。

ポトフの作り方

香味野菜で美味しく

前項で述べたようにポトフのスープはブイヨンとして使えるもの、つまり肉と野菜の旨味が入り、肉の臭みを取って塩とハーブで最低限の味つけをしたものです。

使うのは香味野菜です。 “香味野菜”ってよく聞きますよね。その名前の通りに香りが豊かな野菜のことで料理に香りを添えて味を引き立たせてくれます。
香味野菜として使われる主な野菜は
ねぎにんじん玉ねぎにんにくセロリしょうがみようが大葉、そしてパセリやバジルなどのハーブ類です。

薬味も同じ役割をするもので香味野菜も薬味の一部です。例えば、ねぎや生姜は香味野菜として煮込むこともあればお蕎麦の薬味として一緒に食べるとお蕎麦がより美味しくなります。
野菜以外の薬味といえば、唐辛子山椒海苔ごまかつを節などのスパイスや乾物、そして柚子すだちかぼすなどの柑橘系のくだものも薬味として使われます。

材料(2人分)

豚肩ロース 300~350g
鶏手羽もと 4本
玉ねぎ 1個
にんじん 1本
セロリ 1本

水 1500ml
塩 大さじ1/2

にんにく 1片
タイム 小さじ1/2
ローリエ 1枚
黒こしょう(ホール) 10粒

粗塩 適量
粒マスタード 適量

(食材以外)
お茶パック 1つ

※ 肉は豚のバラ肉、牛のスネ肉などでもOK。かたまり肉をご用意ください。
※ 鶏の旨味も欲しいのと肉が2種類あると盛りつけが豪華な感じになるので手羽元も入れました。鶏のももを使う場合は骨付きのぶつ切り肉がおすすめです。骨付き肉を煮込むとスープがぐんと美味しくなります。
※ タイムは生のものがあれば1本を使います。

作り方

1. 鶏の手羽元は洗って骨の両側に切り込みを入れる。骨がむきだしになる位に骨から肉をはがすようにする(写真参照)。
2. 豚肩ロースは冷蔵庫から出したらキッチンペーパーで水気をふく。
3. 玉ねぎは芯がついたままタテに4等分に切る。にんじんは皮をむき、長さ3等分にし、太い部分はタテ半分に切り、細いところはそのまま使う。
4. セロリは葉と茎を分ける。茎は根元の先の茶色い部分を薄く切り落とす。葉がついていた方から根元にむけて筋をそぐように少し切れ目を入れ、筋をもって引きながらはがすように取る
5. にんにくは皮をむき、お尻の部分を2mmほどカットし、タテ半分に切る。真ん中に芽があるので、包丁のアゴを使って芽を持ち上げるようにしてえぐり出す。
6. お茶パックに芽を取ったにんにく、タイム、黒こしょう10粒を入れる。ローリエは葉の中央をタテに走っている葉脈の左右1か所ずつを手で3~5mmくらいの切れ目を入れてお茶パックに入れる。
7. 鍋に水1.5リットルに塩を大さじ1/2を入れて混ぜ溶かしたら豚肩ロースと鶏の手羽元を入れて強火にかける。沸騰してくるとアクが浮いてくるのでお玉で取り除く。
8. 大方のアクが取れたら玉ねぎ、にんじん、セロリの茎、お茶パックを入れる。再度煮立ったら野菜からのアクが出てくるので取り、弱火にして1時間煮込む。セロリの葉を入れ、2~3分煮たら火を止める。
9. 豚肩ロースを取り出し、まな板に乗せて1cm幅に切る。包丁を垂直におろして切るのではなく、寝かせるように斜め下におろして切る”削ぎ切り”にすると肉の断面を大きく切れる。
10. 器にカットした豚肩ロース、鶏手羽もと、野菜を盛りつける。別の器にスープを入れ、粗塩と粒マスタードを添える。

※ ローリエは両側に少し切めを入れると香りが出やすくなります。
※ アクは食品に含まれるえぐみ、しぶみ、にがみなどです。煮汁の温度があがるとアクが表面に浮かんできて少しすると沢山のアクがボコボコとしたかたまりになるので、お玉ですくい取ります。小さなボウルに7割くらいの水を張り、お玉を沈めてアクをボウルに落とし、続けて鍋に浮いているアクをとります。アクはしばらくの間、継続して浮いてきますが、栄養も含んでいますので煮立った時にある程度取れば十分です。

+++++

鍋から取り出した豚肩ロースはツヤツヤで豚肉特有の脂の甘みがちょうどよく、柔らかです。手羽元もするっと骨から肉がとれるので食べやすくなっています。

肉と野菜がもつ本来の美味しさを堪能できるお料理です。大きくカットした野菜と一緒に盛りつけるとボリューム感が出て豪華なごちそうになります。

スープも絶品ですのでぜひ飲んでください。豚肉の脂から溶け出したコラーゲンがたっぷり!

島根県江津市のお料理教室から

ココットキッチンスタジオは料理、パン、お菓子が学べる料理教室です。
作り慣れた定番のごはんをもっと美味しく作るために意外と忘れられている「基本」、新しい味の世界をのぞいてみる「好奇心」、日頃の疑問や悩みの答えを見つける「発見」の3つを大切にしています。
島根県のちょうど真ん中あたりに位置する江津市にある古民家のキッチンスタジオで一緒に「美味しい」を見つけませんか? 浜田市、大田市、邑南町からも食いしん坊の皆さんにお越し頂いています。

ぜひ一度、足を運んでみてください!

このブログではオーナー 福田順子がレシピや料理のワンポイント、食材の豆知識などをお届けしています。
<取得資格>
ABCクッキングスタジオの認定インストラクターとして登録
 ABCクッキングライセンス
 ABCブレッドライセンス
 ABCケーキライセンス
日本ヘルシーフード協会 ヘルスフードカウンセラー1級
<ディプロマ>
東京會舘クッキングスクール 西洋料理応用専攻コース修了
一般社団法人ベターホーム協会 魚料理、肉料理、飲茶、イタリア料理各コース修了

島根県江津市のお料理教室・パン教室・お菓子の教室

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